今年は京都議定書の第一約束期間がスタートし、洞爺湖サミットが開催され、埼玉県の「温暖化対策地域推進計画」の見直しの時期であり、温暖化対策にとって重要な年です。
地球温暖化の影響は、ヒマラヤの氷河が年々後退していることや海面上昇が進み南太平洋の島々が沈みかけていること、昨年の熊谷市の最高気温が過去日本最高の40.9度を記録したこと、都市部でのヒートアイランド現象などとして表れています。IPCC第4次報告書によれば、温暖化の原因はCO2など人為起源の温室効果ガスによるもので過去100年間に0.74℃の気温上昇を招いています。しかし、適切な対応をとれば二酸化炭素排出は技術的に削減が可能であると報告しています。
産業革命前まではCO2の排出量は自然の吸収能力の範囲内でバランスを保っていましたが、現在、人間社会は自然界が吸収する量の2倍のCO2を排出しています。
温室効果ガスを削減していく国際的な枠組みとして京都議定書があります。米国は脱退していますが、現在、世界で180カ国が締結しています。日本は90年比で6%の排出削減義務がありますが、2005年には5.6%増えており、合わせて11.6%削減しなければなりません。
埼玉県では、生協の皆さんにも協力いただいているエコライフDAY(今年の夏は61万人参加)や冷暖房の室温調整などのライフスタイルキャンペーン、「CO2見える化」やカーボンオフセット、事業所にCO2削減目標を設定してもらうエコアップ宣言、講師派遣などによる環境学習の推進、太陽光発電の普及や緑の屋上庭園整備事業などに積極的に取り組んできました。現在、新しい地球温暖化対策実行計画の策定作業を進めていますが、この中では、大規模事業者に対して削減目標を提示して未達成分については排出量取引に参加していただく制度や、一定規模以上の建築物の新改築に当たっては環境性能の向上について計画書を提出していただき、環境配慮建築物には公的な認定をする制度などを検討しています。
現在、埼玉県では、自動車税1台当たり500円、総額で14億円を緑の基金として温暖化対策や森林の保全・活用、身近な緑の保全・創出・活用などに取り組んでいます。
環境については、温暖化対策と川と緑の再生が今年の2本柱です。埼玉県では、これまでエコライフDAYや太陽光発電の普及・啓発など全国トップレベルの普及啓発に取り組んできました。今後、新たな計画の策定や条例の制定などにより一段ステージを上げた取り組みを始めてきたいと考えています。
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