今国会での安全保障関連法案のすみやかな撤回を求めます
2015年7月6日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
埼玉県生活協同組合連合会
会長理事 岩岡 宏保
今国会での安全保障関連法案のすみやかな撤回を求めます
現在、国会において「国際平和支援法」と自衛隊法など現行関連法10本の改定を一括した「平和安全法制整備法」の2つの法案の議論が進められています。
この法案は、それまで歴代の政府が集団的自衛権は違憲としてきた見解を変更したものです。また、憲法9条の解釈の限度を超える実質的な憲法改正に等しい行為であります。一つの内閣の判断で憲法解釈を覆そうとする行為は、明らかに国家権力を拘束するという立憲主義の考え方を逸脱するものであり、日本国憲法の最高法規性を踏みにじるものでもあり認めることができません。
6月3日、多くの憲法研究者から「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」が出され、6月4日の衆議院憲法調査会では、与党などが推薦した参考人も含めて3人全員が「憲法違反」との認識を表明されました。また、マスコミ各社が実施した世論調査でも、今国会で安保法制に関する関連法案の成立には約半数の国民が反対しています。それにも関わらず政府は、法案成立に向け、戦後最長の65日という延長国会を決め、地方・中央公聴会の日程も決定されました。
今法案のように、国のあり方を左右する重要案件の決定に際しては、政府は国民に丁寧に説明し、国民的な議論を十分に積み重ねた上で、国民に信を問うなど必要な手続きを経ることが民主主義の基本的なルールと考えます。この点でも、国民に説明責任を果たしていないとの世論調査があります。
埼玉県生活協同組合連合会は、「平和とよりよき生活のために」という基本理念に基づいて、国民的合意が得られていない安保法制関連法案に対して強い懸念を表明すると同時に、すみやかな撤回を求めます。