10月25日(水)、「誰ひとり取り残さない社会を目指して ~わたしたち消費者の行動が未来をきめる~」を大会スローガンに、第59回埼玉県消費者大会が開催されました。
開会にあたり、アトラクションとして、福島県双葉町から埼玉県に避難されてきた箏奏者 大川義秋さんに、箏を演奏いただきました。
次に、実行委員会を代表して柿沼トミ子実行委員長のあいさつがあり、3月から毎月実行委員会を開催して、話し合いを積み重ね、準備してきたこと、また、ウクライナ侵攻など厳しい世界情勢の中で、消費者・市民としてどう行動するか、寺島実郎さんにご講演いただくこと、午後の分科会では食や環境をテーマに開催することを報告しました。
次に、来賓の砂川裕紀埼玉県副知事より、大野知事からのメッセージを代読いただきました。消費者大会は、埼玉の食料や農業、プラスチックごみをはじめとする環境問題を学習する有意義な場であること、若年層や高齢者の消費者被害が増加している中、消費者教育の充実や地域での見守りを強めていくために、消費者団体のいっそうの協力を呼びかけられました。
記念講演では、一般財団法人日本総合研究所会長 寺島実郎さんから「世界と日本のこれから わたしたちのくらしを考える ~消費者・市民としてどう行動するか~」と題して講演いただきました。
寺島さんからは、世界に占める日本の国内総生産(GDP)のシェアが1994年のピーク時には18%あったものが、2022年には4%まで縮小したことを挙げ「健全な危機感を持つべき」と言われ、シンガポールなどに大きく差をつけられているひとり当たりGDPでも台湾や韓国に抜かれるとの見方を示し、「日本がアジアの先頭を走っているというのは錯覚である」と厳しい見方を示されました。
さらに、米中貿易の影響と日本海物流の関係、その中での埼玉県のロケーションが重要かつ戦略的であると指摘、また、日本社会の高齢化と高齢者がどのような「結節点」を持つかが今後の社会の行方を握るとし、高齢者と女性の活躍が日本の変革の鍵であると結ばれました。
次に、実行委員会で話し合いを重ねて確認した「実行委員会報告」「埼玉県への要請書」の主要な内容について、吉川尚彦事務局長から報告しました。
最後に、生活協同組合パルシステム埼玉の麓真二さんから、「大会アピール」が提案され、拍手で確認されました。
午後は食と環境の2つの分科会が開催されました。食分科会は「学校給食の現状から 埼玉の食料と農業の未来を考える」をテーマに、3人の助言者から報告いただき、質疑応答、意見交換しました。
助言者 学校給食歴史館館長 中島勝男さん「学校給食の歴史と地産地消」
助言者 草加・学校給食を考える会 菅千代子さん「草加市での地域と結びついた学校給食の実践」
助言者 中森農産(株)代表取締役社長 中森剛志さん「若者が担う農業と食料安全保障」
環境分科会は「プラスチックごみの行方を知ろう ~私たちはどう行動すればよいのか~」をテーマに、埼玉県環境部資源循環推進課課長 尾崎範子さんにお話しいただき、加須市、新座市のごみ分別などの現状報告をしました。
ふたつの分科会は、会場とZoomのハイブリッドで行いました。
参加者
全体会362人(会場265人・YouTube視聴97人*視聴申し込み時)
食分科会(会場88人・Zoom33人)、環境分科会(会場90人・Zoom17人)
分科会計228人に参加いただきました。
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