2006年 12月NO2測定活動結果
県全体のグラフ
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<INDEX>
 1.測定活動について
 2.測定結果について
 3.今後にむけて
-測定結果-
 ワースト20

測定活動について

    1. 測定参加生協の有効データ数
       医療生協 2,111件(昨年2,915件)、 さいたまコープ 183件(昨年682件)、
       生活クラブ 650件(昨年687件)
       計 2,944件(昨年4,330件)
      そのうち、地上1.5mの野外で測定された「通常測定」が 2,747件(昨年 3,926件)、
      室内・高層・移動する物で測定された「特定測定」が 193件(昨年 404件)でした。
      ※データのうち4件は県外での測定のため、平均値などには含まれていません。

    2. 市町村別では、データ数が20以上の自治体が38自治体(昨年 56)、20未満が18
      自治体(昨年 27)、データのない自治体は15自治体(昨年 4)でした。
      ※市町村合併のため、対象の自治体は87自治体から71自治体になっています。

    3. 通常測定の市町村別のデータ件数は所沢市(346件)、川口市(160件)、春日部市(134
      件)が多くなっています。他に100件を越えている自治体は狭山市、上尾市でした。

測定結果について

    1. 通常測定の総平均は、38.0ppbで、昨年12月の40.9ppbに比べて低い数値でした。
      埼玉県の測定局平均は37.0 ppb(昨年値 37.2ppb)と、県の測定値もやや低くなっ
      ていました。今回の測定では、気温が昨年よりも高かったことも要因のひとつと考
      えられます。

      *単位は、01年よりppmの千倍の単位ppbで表現。1ppb=0.001ppm

    2. 状況別の数値

      状況
      件数
      割合
      平均値
      昨年値
      幹線道路(片側2斜線以上の道路沿い)
      219件
      8 %
      46.1ppb
      46.9ppb
      道路(それ以外の道路沿い)
      2,306件
      84 %
      37.4ppb
      40.7ppb
      学校・幼稚園(敷地内)
      83件
      3 %
      34.4ppb
      37.1ppb
      公園・寺社(敷地内)
      56件
      2 %
      37.8ppb
      38.1ppb
      その他
      83件
      3 %
      36.4ppb
      37.0ppb

      *NO2(二酸化窒素)の環境基準(78年改正)
      当初、20ppb(0.02ppm)以下とされていた。それが、78年の基準改定で、40ppb
      (0.04ppm)以下に緩和され、しかも「当面の措置として60ppbを超えなければよしと
      する(=ゾーン基準)」とされたが、いつのまにかその60ppbが「環境基準」といわ
      れるようになった。


    3. データ数20以上の自治体に限った市町村別の平均では、数値が高い方から八潮市
      (48.5 ppb)、 戸田市(47.8 ppb)、川口市(47.2 ppb)、新座市(46.7 ppb)、吉川市
      (45.6 ppb)の順でした。今回東部、中央、西部地域の平均値が高くなっています。

    4. データ数20以上の自治体の平均は、すべて27~60ppbの間にあり、二酸化窒素の環
      境境基準である60ppb以下で、50ppbを超えた自治体が今回はありませんでした。
      しかし東部地域や中央では、ここ数年常に数値が高くなっていて注意が必要です。
      内訳は40ppb以上が19自治体(昨年26)、31~40ppbが19自治体(昨年26)、21~30
      ppbが3自治体(昨年4)、旧基準の20ppb以下は今回もありませんでした。

    5. ここ3年の平均値の変化をみてみると、3年連続して40ppb以上の自治体は八潮市、
      草加市、蕨市でした。逆に3年とも40ppb以下の自治体は幸手市、宮代町、菖蒲町
      他17市でした。

    6. 個々のデータでは、基準の60ppbを超えるものは164件(全体の5.97%、昨年 10.3
      %)
      ゾーン内である40~60ppbまでの件数が799件(29.1%、昨年 36.2%)、旧基準
      の20ppb以下で あったのが116件(4.1%、昨年 3.7%)でした。最高値は132ppbでした。

    7. 数値の割合を状況別に見ると、60 ppb以上の高い数値の地点が一般道路に比べて3
      倍以上の割合を占めているのに対し、20~40ppbの数値の割合は一般道路では約6割
      を占めているなど幹線道路で数値が高くなる傾向が表れていました。

      (単位ppb)
      通常全体
      幹線道路
       道路 
      公園・寺社
      学校・幼稚園
      その他
      特定測定
      60超
      6.0%
      18.7%
      5.1%
      7.1%
      1.2%
      0%
      4.7%
      40~60
      29.1%
      39.7%
      28.2%
      23.2%
      24.1%
      33.7%
      30.6%
      20~40
      60.7%
      37.9%
      62.5%
      66.1%
      67.5%
      61.5%
      59.0%
      0~20
      4.2%
      3.7%
      4.2%
      3.6%
      7.2%
      4.8%
      5.7%

    8. ワースト順では、100位までに自治体数で27市町村(昨年26)が入っています。地域
      でみると、川口市の15ヶ所、中央地域が32ヶ所。東部地域は18ヶ所が入っていま
      した。状況別にみると幹線道路が7.97%、道路が83.95%、学校・幼稚園が3.02%、公
      園・寺社が2.04%、その他が3.02%でした。当日の川口市近辺の天候は、気温が例年
      よりも高かったことなどにより、数値が低くなったことが原因のひとつと考えられます 。

    9. 特定測定の平均値は37.8ppbでした。例年のように上階のマンションのベランダと
      いった場所での測定が3分の1を占めていました。室内での測定が6件、違う日程
      での測定が44件でした。自転車などの移動する物や同じ地点で測定日を変えた比較
      の測定は行なわれませんでした。

    10. 通常測定での地上と、特定測定の2階以上の地点での測定の比較では、階上のほう
      が高い数値となる傾向でした。マンションなどの階層での比較では、高層階(10階
      以上)よりも2~7階といった中層階のほうが高い値になる傾向が見られました。
      同じマンションの同じ階でも向きや風など状況によって数値に違いがみられました。

今後に向けて

    データ数が徐々に減少しています。測定数の増加をめざすためのアピールや理解
    を深める学習がますます必要になってきています。そのためにも東京連絡会をは
    じめ、同じような活動をしている団体との情報交換なども引き続き行なっていき
    たいと考えます。