本年5月28日、OIE総会で日本は、「管理されたリスクの国」、清浄国として認定されました。
これに先立ち厚生労働省はBSE検査対象月例を現行の30か月齢超から48か月齢超に引き上げる「厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則の一部を改正する省令(案)」を公表し、本年7月1日からの施行を予定しています。
日本国内においては2002年2月生まれ以降の牛のBSE陽性牛は確認されておらず、これまで執られてきたBSE対策の国内措置が有効に機能してきたと考えますが、引き続き以下のことを求めます。
1.食の安全は、消費者、国民すべてが享受することのできる権利です。消費者が安心を実感するために、公の責任で食品の安全性を確保することが必要です
- この間、国内のBSE対策として飼料規制がとられ、各自治体では全頭検査を実施してきました。感染牛の発見はなく、全頭検査の結果がそのまま重要で貴重なデータとなってきました。
- 現時点で全頭検査の見直しは理解できますが、このことについて行政からの消費者への丁寧な説明が大切であり、必要だと考えます。施行についても同様、あらゆる機会を利用して説明し、消費者の声に耳を傾けるよう望みます。
2.リスク管理措置(BSEスクリーニング検査以外)の一層の管理・運用の強化を望みます
- 特定危険部位(SRM)の除去、それが飼料に回らないための措置は引き続き重要であり、これまで以上に、飼料の管理、肥料の製造・使用・保管管理等の徹底に力を入れるよう望むものです。
3.非定型BSEに関して、積極的な情報収集、調査研究、リスク評価を望みます
- 生後21か月、23か月で発見されたこともあり、果たして48か月の線引きが適正なのか、食品安全委員会は、人への感染の心配はいらないとしていますが、疑問が残ります。
- 非定型BSEに関してはデータが少なく、消費者を不安にする要因の一つと言えます。今後、積極的な情報収集や調査、研究に取り組んでください。リスクがゼロであることは不可能でも、ゼロに近づける努力は必要です。
4.海外から輸入される牛肉等に対しては、一層慎重であるべきです。
- 輸入牛の規制について、輸出国に対する飼料規制と適切なサーベイランス検査を求めるものです。
5.丁寧なリスクコミュニケーションの実施を望みます
- 今回のリスク管理措置の変更については、全頭検査の廃止に関する内容だけが大きく報道され、国内で引き続き実施される措置も含めたBSE 対策の全体像やそれぞれの措置について、国民に十分に理解されているとは言えません。改めて BSE 対策について、現状の評価・到達点、今後の課題等も含めて国民にわかりやすく伝えることを望みます。
以上
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