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私たちは、「つながろう、ふみだそう 平和で公正な社会に向けて」をスローガンに、第49回埼玉県消費者大会を開催しました。 2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から2年半以上が経過していますが、復旧・復興にはさらに長い年月を必要としています。とりわけ、東京電力福島第一原発事故では、11市町村での「帰宅困難区域」約2万5000人、「居住制限区域」約2万5000人、「避難指示解除準備区域」約3万4000人を含む約16万人の方々が避難生活を強いられています。新たに汚染水の漏出が大きな課題になっており収束とは程遠い状況です。国民のくらしや健康に深刻な被害をもたらしています。原発事故の一刻も早い収束と放射能汚染の不安が払拭される対策が求められています。 この間の日本経済は、私たちのくらしに深刻な影を落としています。雇用調整、賃金の引き下げ、失業者の増大、税金・社会保険料の増加、医療・介護、年金等の社会保障の抑制により、多くの国民が日常の生活や将来に不安を抱いています。そのためにも、誰もが安心してくらせるよう社会保障の充実と消費者・生活者のくらしが最優先される社会への転換が求められています。 食の安全は、最も大きな関心ごとです。私たちは引き続き「食品の放射能汚染の検査の強化」「食品の監視・検査体制の強化」など食品の安全を確保する社会システムの確立を求めていきます。一方、食料自給率(カロリーベース)は、3年連続で39%にとどまり、将来深刻な食糧不足が懸念されるなか、日本の農業を守り、食料自給率を向上させることは重要な課題となっています。このような状況での環太平洋経済連携協定(TPP)への参加は、あらゆる情報を開示し、そのうえで国民的議論が行われ、慎重な検討がされるべきです。 「消費者教育推進法」が成立しました。「行動力のある消費者への継続的な教育と消費者団体の育成」や「自治体における消費者教育推進計画の策定や消費者教育推進地域協議会の設置」などが盛り込まれ、消費者にとって好機です。消費者自身がまず学ぶとともに、行政へ取り組み強化を求めます。 私たちは、くらしの中の問題を学び、声を出し、力を合わせて、平和で安心してくらせる社会を次の世代に引き継ぐことを大切にしていきましょう。 2013年10月10日 第49回埼玉県消費者大会 |