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3.11を忘れない・・

みやぎ生協から被災地・宮城のいまをお伝えします

第36回 2016年8月5日

次の住まいを見つけられない・・・思い悩む被災者をサポート

 復興公営住宅は、自力での住宅再建が難しい被災者にとって次善の策です。しかし復興公営住宅に入居するには、1)全壊 2)大規模半壊・半壊で解体済み 3)復興事業に伴う移転などの要件を満たしていなければなりません。

 例えば、震災前に住んでいたアパートが大規模半壊でも解体されず残っていたり、修繕が済んでいる場合は入居対象外となります。また敷地の問題などで家を失っても、り災判定が一部損壊であればやはり復興公営住宅には入れません。

 “震災前と同じアパートに見なし仮設で住んでいるが仮設期間終了後の住まいを決めかねている”“プレハブ仮設から早く出たいが復興住宅には入れず手ごろな賃貸住宅も見つからない”。被災地には、そうした様々な事情で生活再建の見通しが立てられずにいる人たちが多くいます。

 石巻市では、仮設住宅居住者6451世帯のうち1119世帯が「生活の再建方法が未決定」でした(※1)。石巻市福祉部生活再建支援課の今野善浩課長は、「“再建方法が決まってない1119世帯”の方々に今後どのように住まいを決めていただくか。大きな課題だと思っている」と話します。

 市は今年の夏、未決定世帯に自立計画書を提出してもらい、「復興公営住宅の入居資格がない世帯」の実数を把握した上で、「市・県営住宅の活用」(り災判定に左右されず一定の収入条件以下で入居が可能)などの案を提示していこうと考えています。またプレハブ仮設住宅の集約を図る際、民間の賃貸住宅に転居する世帯(※2)を対象に「家賃の一部助成」にも取り組む予定です。

 仮設住宅の供与期間終了まであと2年。市は「石巻市被災者自立再建促進プログラム」をもとに被災した人たちの個々の事情に寄り添いながら、住まい再建の道を一緒に探っていくことになります。

※1 平成28年5月1日現在

※2 前年度の月収が政令月収以下に該当する世帯

仮設住宅に暮らして5年。再建策は人によって様々です。道を挟んで並ぶ大橋地区の仮設団地。 石巻市福祉部生活再建支援課の今野善浩さん(右)と佐藤靖記さん。
石巻市は計画の約6割の復興公営住宅が完成しています。石巻駅近くの復興公営住宅。

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